ここにあるマークは、「コンパスローズ」とよばれるものです。
西洋では、科学的に地図が作られるようになると、東西南北などの方位をしるした航海図(こうかいず:船で海を進むための地図)が作られました。
この地図(「ポルトラーノ」という)には、北を表す矢印とともに十六の方位などをしめしたマークが、地図のあちこちに書かれています。このマークが、花びらのような形であることから、バラのことをいう「コンパスローズ」あるいは「ウィンドローズ(「風の薔薇」)」とも呼びました。
「伊能図(いのうず)」にもこれが、描かれています。ところが、「伊能図」のコンパスローズは、航海のために使用するものではなく、多くの紙に書かれた日本地図をはり合わせたときに、正しく合っているどうかを確かめるためのものとして、複数の地図にまたがるように描かれています。
「伊能図(いのうず)」を見る機会があったときに確かめるといいでしょう。
おしまい!