忠敬の測量隊は、一部のはなれ島にいっていません。もちろん上陸(じょうりく)もしていませんが、地図には表示していることがあります。
その位置のもとめ方は、「13.位置をもとめる」などで説明した、各地点から角を測って求める交会法とよばれる測量によっています。
そのような場合に「伊能図」では、測量をした場所から見えた横からの形を描いてすませています。正しい島の大きさや広がりがわかる、上から見た形ではありません。
しかも、遠くにある島については、正しい位置に描いていません。
ここにある、「飛島(とびしま:山形県)」の例では、現地で測量した本土(右)は、あくまでも上から見た形で表現していますが、本土から離れた飛島については、海から島に近づいた時に見えると思われる島の形(横からの風景)を描いています。
富士山などの遠くの山々もおなじような表現をしています。