測量が終わると地図をつくります。
「野帳(のちょう)」に書きこまれた、地上での測量や天文測量の結果を、「分度矩(ぶんどき)」や「厘尺(りんしゃく)」と呼ばれるものさしを用いて、紙の上に書きこんで、「大図(一里を3寸6分で表したもの)」が作られます。
「大図」作リ方ですが、地図用紙に平行線を引き、この線の上に針穴(はりあな)をあけ、これから観測した角と縮尺に応じた距離から、次の針穴をあけるということを順番にくりかえして、これをむすんで「もと図」としました。
このように作られた「もと図」を手本(てほん)にして、針穴を新しい地図用紙に針(はり)でうつし、これを赤線で結び測量した線が書かれます。
これに海岸線や道すじの風景図(ふうけいず)、地図記号、そして文字を書き込んで「伊能図(いのうず)」が完成します。