現在の測量では、天文測量をしたところや、これから測量を続けるためにじゅうような地点には、てっぺんに十字のきざみがある石や、真ん中にくぎをうちこんだ木の杭(くい)などをうめますが、忠敬の測量では、石をうめたようすはありません。
測量の「しるし」としては、現在の測量のポールにあたる梵天(ぼんてん)などのほか、村境(むらざかい)の波うちぎわなどには、白い紙をむすんだ、長さ5mほどの竹を何本か立てて測量の目標(もくひょう)にしたようです。
また、測量の終わりや、次の測量の始めとなる場所などには、○の中にに「鳥」や「田」の字を書いたしるしや、「イ」、「ロ」、「ハ」などのしるしをつけた木の杭をうめて、次の日や次の年には、それぞれの杭から測量を始めたようです。
全国測量は、○に「中」の字が書かれた杭で終わりました。