い の う た だ た か  ま め じ て ん


−伊能忠敬へのぎもんに答えます−

14.伊能忠敬は、地球が丸いことを知っていましたか

 忠敬が全国の測量を始めたきっかけは、「子午線(しごせん)1度の長さをせいかくにもとめてみたい」ということですから、地球が丸いこと、球であることは知っていました。
 そうなると、作られる地図は平面(へいめん)ですから、球(きゅう)から平面への投影法(とうえいほう;地球の上で測量したけっかを、どのようにかえれば、平面にあらわすことができるかということ)を考えなければ地図はできません。
 ただし、忠敬は、このことをすべて正しくわかっていたとはいえません。
 
 正しい地図の作り方は、投影法を考え、白紙に経度(けいど)と緯度(いど)をあらわす線を書いた上に、測量結果(そくりょうけっか)から海岸線や道路などをじゅんばんに書いて作ります。
 忠敬の場合は、海岸線や道路などを書いた地図の上に、京都を中度(ちゅうど;経度が0度の地点)ときめて、直線を引き、観測した緯度をもとに、緯度1度にあたる長さ(28.2里)を、上下にじゅんにとり、平行な緯線を書きこみました。経線もおなじように、中度の直線から緯度におうじた1度の長さ(28.2里×cosψ)をじゅんにとり、経線を書きこみ地図にしました。
 
 正しい方法とは、少しちがいがありますが、こがたの正確な時計がなかったことで、経度の測量ができなかったのです。
 さて、忠敬がくろうして求めた「子午線1度の長さ」28.2里は、どのくらい正確だったのでしょうか。現在の長さの単位(たんい)であるmになおして比べてみると、その差はわずかに0.2%と、おどろくほど正確なものでした。


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