いよいよ野外の身近な場所で、しっかりとした地図をつくります。
学校の敷地、公園の広がりなどを地球の景色だとして、じっさいに地図をつくります。方法は、「図-11 多角形にした導線法」のように、各地点で進行方向への北からの角と距離を測ってします。距離を歩測で測量するなら、方位磁石と梵天があればOKです。
というのは、第4ステップでの疑問点にもあったように、この測量方法なら、現地では角と距離の測量結果をノートに整理するだけになります。
その後、部屋にもどってから、角と距離の測量結果をもとにして、図紙に地図を描くことになります。伊能忠敬もそのように進めてきました。
ただし、方位磁石を使用して各地点から進行方向への北からの角度を測量するのは、それほど容易なことではありません。伊能忠敬もしたように、方位磁針の両端に、方向を見通すためのアリダートのような仕組みがあると容易になります。
方位磁石でするのはややむずかしいとしたら、第2ステップにあったような手作り器具を使用して、誤差を点検できる第3ステップにあったような方法(導線法)で、現地で地図をつくるにはどうしたらいいでしょう。
用意するものとしては、平板測量の器具の「平板」の代わりになる机、「菓子箱アリダード」と巻尺の代わりとなる「体のものさし(の歩測)」、あるいは巻尺です。
ただし、机の代わりに、図のような踏み台の上に画板をくくりつけて利用することもいいでしょう。
では、地図つくりの手順をしょうかいします。
(A地点ですること)
(B地点ですること)
こうした方法を繰り返して、G地点でも同じ操作をすると図のような全体像が描かれます。
方位磁石を使用した方法も同じですが、結果として多角形の角度を知った(測った)ことになります。
そのときA-A’のような誤差が明らかになって、多角形が閉じないのが(青線)一般的です。その場合は、前にも説明したように、第3ステップに関連したホームページにあったような方法で誤差を配分した図形とします(赤線)。
誤差を配分してできた地球の地図
一歩進んで、とちゅうのC点などから、E点、F点などの方向が見えるときには、アリダードで見通して、その方向線を引いておけば、その線上にE、F点があるかどうかで、導線法の誤差や大きな間違いがないかを点検できます。これが、伊能忠敬が遠くの山を観測した交会法にあたるものです。
このような測量方法で、みぢかな地球の地図をつくってみましょう。
そして、これまでの疑問点の答えも考えてみてください。
■地球の地図を作ってみよう
1.地図の基本を知る
- 地図は、地球のジオラマのようなもの!
2.かんたんな地図の作り方を知る
- 平板測量という方法
3.室内で地図作りを体験する
- だれでにも地図は出来る!
4.歩測という体のものさしを知る
- 伊能忠敬に近づく
5.もっと知識を高める
- もっと伊能忠敬に近づく
6.みじかな地球の地図をつくる
- 伊能忠敬を超える?
■そのほかの体験教室