「歩測(ほそく)」ってどんなものかしっていますか。
さあ、みなさんも歩測の達人(たつじん)になりましょう。
それを使っているところを、かんたんに見ることができるのは、テレビのゴルフきょうぎでのようすです。よく見ると、プロゴルファーが、もくひょうとした木やバンカーなどから、歩いてきょりをはかっています。
このように、自分のからだをものさしとして、きょりをはかります。伊能忠敬(いのうただたか)の測量(そくりょう)も、この方法でおおくのきょりをはかりました。
からだをものさしにするには、あるくことについて、ちょっとだけ練習しなければなりません。
○れんしゅうじょう、まき尺、でんたく、メモ帳、えんぴつ
○れんしゅうじょうに、まき尺で20mから100mぐらいの距離(きょり)の、目じるしを作ります。
○きめられた距離(たとえば、20m)を何歩であるけるか、数えてみましょう。
○なんどか歩いて、へいきんをけいさんします。
○たとえば、2回ためして、30歩と32歩なら、へいきんは31歩です。
○このようにして、じぶんの1歩が何cmになるかを、けいさんします。
○2000cm÷31歩=やく64cm、というようになります。
○じぶんの1歩の長さがわかったら、それぞれの足のものさしで「ひみつの道」をかぞえて、きょりをはかりましょう。
○シートは、ここにもあります。歩測れんしゅうシート
○もくひょうをとおくに見て、まっすぐ歩きましょう。
○なんどか歩いて、へいきんをけいさんしますが、さが大きいときは、ほぼおなじになるように歩き方を練習します。
○かぞえたあとは、まちがいが少なくなるように、すぐにメモします。
○測量(そくりょう)では、右足と左足がそれぞれ1回進んで、一歩と数える方法(複歩:「ふくほ」とよびます)をりようします。
○小さなこどもにはむりですが、このときは100mの道を66複歩で歩く練習をします。そうすると、1複歩は1.5mになり計算がかんたんになります。
○どう、かんたんになるかというと、数えた複歩の数に、その半分の数を加えると、距離(m)になります。例えば66複歩なら、66+33=99(m)になります。このように、むかしの測量する人は、1複歩が1.5mになるようにくんれんしました。
○れんしゅうじょうに、直角(ちょっかく)でかこまれた下のような図形をつくり、これをはかって、そのけっかを地図にしてみましょう。
○歩いた結果からきょりを求めて、シートの上に図形として書き込んでみます。シートは、ここにあります。図形記入シート
○でき上がった図形は、閉じましたか。ふつうは、ごさ(a-a')がでますから、図形はとじません。
それをちょうせいする方法は、下の図のように全体のものさしをつくり、さいごの点にごさ(a-a')をとります。このa'からさいしょの点にななめに線をひき、それぞれの地点でのちょうせいする量をもとめます。
各地点では、ごさ(a-a')と平行の方向に、もとめたちょうせい量だけいどうさせます。これをむすんで、できあがりです。
○伊能忠敬は、日本中を歩いてきょりをはかりました。そして地図を作りました。そのあとの測量(そくりょう)でも、小さな縮尺の地図を作るときになどに、歩測は使われました。
○ともだちが使っている、家にある30cmのものさしを、くらべてみよう。そうすると全体で1mmぐらいちがうものがありますが、学校や家で使うのには、とくにもんだいはありません。
しかし、これでは、せいかくなあたいが必要な、測量には使えません。
このように、「歩測は、いいかげんなもの」ということではなく、ほかのものさしとおなじように、ひつような正確さに合わせて、今でも使用します。たとえば、小さな縮尺の地図をつくるときなどには、一部で利用できます。
少しむずかしいですが、伊能忠敬の測量と歩測のことをしりたい方は、「かみしばい 伊能忠敬の地図作り」にせつめいがあります。
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