「みなさんは、万華鏡(まんげきょう)をしっていますか。「ぼうえんきょう」をのぞくと、きれいなもようが見えるあれです。
ここにある「立体めがね」は、万華鏡(まんげきょう)ほどではありませんが、「そうがんきょう」の先に、ある絵(2まいでひと組の絵)をはりつけることで、なぜか立体になった不思議な絵がみえるものです。
○ティッシュペーパのあきばこ、ビスケットの空き箱(四角)、ラップのしん(丸)などの「つつ」 1本
○「つつ」の大きさは、ちょっけい・あるいは1辺が、6cm〜10cm(下の図のA)ていどのものがよいでしょう。
○「(立体がみえる2まいで)ひと組の絵」これを「立体の絵」と呼ぶことにします。
(下に、よういしていますからこれを印刷して使用します)
@山のコンター、Aピエロ、B貝、 Cふんかの図、Dてんぼうの図)
○色紙、千代(ちよ)紙 A4 1枚ぐらい
(さいごに、まわりをきれいにするためですから、なくてもよいです)
○よういした「つつ」と同じくらいのあつさの、あつ紙 A4 1枚ぐらい
○はさみとカッターナイフ(カッターナイフだけでもよい)
○じょうぎ、えんぴつ、木工ボンドか、のり、ホッチキス、セロハンテープ
(ここでは、ビスケットの空き箱などの四角いつつを使った場合を例に、せつめいします)
○「つつ」の左右のはしにある、ふた部分をとりのぞき、10cm(=C)ぐらいの同じ長さに切りそろえます。
○2本の「つつ」の、ちゅうかんをホッチキスでとめ、「そうがんきょう」のようにします。
○中央を四角にくりぬいた、「立体の絵をはりつけるめがね」を作ります。
それに、よういした「立体の絵」をはりつけ、「立体の絵をはりつけためがね」とします。
○おなじように、「つつ」の大きさに合わせて、中央に穴をあけた「のぞきあな部分のめがね」を作ります。
○「そうがんきょう」に、そぞれのめがねをボンドなどで、はりつけるとかんせいです。
(さいごに、まわりに千代紙などできれいにします)
○ティッシュペーパのあきばこを利用するともっと簡単にできます。 ○はこを二つに切る、とりだし口のビニールをとる、 ○とりだし口をそとがわにしてかさね、ホッチキスかセロハンテープで合わせる。 ○きりくちがわに「立体の絵」を、そのはんたいがわに、目のかんかくにあったのぞきあなを、せんまいどうしなどでつけて、おしまい。
○のぞきあなは、1cm四角ぐらいで、それほど小さくしなくてもよいでしょう。
○「立体の絵」は、紙に印刷(いんさつ)して使いますが、厚紙(あつがみ)を使わないこと。
○「立体の絵」をはりつけるとき、中心線をせいかくにそろえます。
○(立体がみえる2まいで)ひと組の絵」が、「そうがんきょう」の大きさと一致しないときは、左右を切りはなすか、コピーして使います。
そのときでも、中心点のかんかくを目のかんかくにあった65mm以下とするとよいでしょう。
○「のぞきあな部分のめがね」も中心線をそろえて、「そうがんきょう」にはりつけます。
○「立体の絵のをはりつけためがね」を、そうがんきょうにはりつけるときには、立体がかんたんに見えるかどうかをちょうせつし、かりどめしながら、はりつけます。
○そうがんきょうは、明るいほうにむけて、のぞきあなに目をしっかりつけてのぞきましょう。
○利用できる「つつ」の大きさは、見る人の目の間隔(おとななら65mmぐらい)との、かんけいできめられます。
○老眼(ろうがん)の方、遠近両用(えんきんりょうよう)のめがねをお使いの方は、よく見えません。
○もしも、「立体の絵」を手作りするとき、さいしょは太いせんで、かんたんなものでためしてみよう。
○「立体の絵」の中心点のかんかくも、65mm以下とするとよいでしょう。
○丸い「つつ」や、大きな「つつ」の場合には、下のように、めがね部分を丸くする工夫や 四角のものを、ひし形にするなどして、のぞきあなの間隔が狭すぎたり、広くならないような工夫をしてください。 ラップのしん(丸)では、せますぎて子ども用しか作れないでしょう。
すこしむずかしくなりますが、ふだん私たちが、凹凸(おうとつ)のあるものを、ごくふつうに立体に見ているのは、次のようなことからです。
凹凸(おうとつ)のあるものを、左右それぞれのはなれた、いちにある、目のレンズで見ると、左右の網膜(もうまく)とよばれる、スクリーンには、ことなる長さの(角度のある)像(ぞう)としてうつります。
このとき、脳(のう)は、凹凸(おうとつ)があるものとしてかんじます。
となると、なにかの方法で、左右の網膜(もうまく)におなじような、ながさのちがう像(ぞう)をうつすことで、立体的な像(ぞう)がかんじられることになります。
高さにおうじたズレをもつ二つの像(ぞう)を「立体の絵」として作り、右目には右の像(ぞう)だけが、左目にはひだりの像(ぞう)だけが見えるように工夫することで、凹凸におうじた長さの像(ぞう)を網膜(もうまく)にうつすことができます。それをたすけるのが、ここの「そうがんきょう」です。これによって、立体的な形がみえるということです。
立体に見えるということと、地図を作ることについて、かんたんにしょうかいします。
地図を作るのには、空から写真をとります。
この平面の写真から、どうして地図が作れるか。なぜ、山などの高さがわかるかということです。
図のように、同じ山を、ことなる地点から写真をとります。すこしだけずれてうつった2枚のしゃしんが手に入ります。
「どうして立体に見えるか」で説明したように、これをあるしくみをもつ器械にかけ、そうがんきょうをとおして見ることで、山の形がみえます。この山の形(立体もぞう)を測って地図ができます。
このようなしくみをもった器械を「図化機」といいます。
「立体の絵」の作り方を説明します。
前のところでも説明したように、左右の写真には同じ山が、ことなるかたちでうつります。
たとえば、左の図のように山に茶色のコンターが書かれていたとしますと、そこをうつした左右の写真には、それぞれ赤色のように、ことなるかたちでうつります。
ですから、絵のような、丸い(コンターの)山があったとします。
左の写真で、きそくてきなけいしゃがある丸いコンターの山は、右の写真では高くなるほど、そのコンターの丸が左にズレることになります。
ですから、コンターを順に左にずらした図をつくり、立体めがねで見ると高い山に見えます。
すこしくふうが必要ですが、下のピエロの図は同じようにして書いたものです。左右のちがいはわかりますか。
みなさんも「立体の絵」をつくってみましょう。