3.室内で地図作りを体験する ― だれでにも地図は出来る! ―

 みなさんの手もとには平板測量の器具がありませんから、「平板」の代わりには教室にある机を、アリダードの代わりには両端をスリット状にくりぬいた菓子箱(「菓子箱アリダード」)を使うといいでしよう。
 そのとき、前と後ろのスリットは菓子箱の端からものさしで測っておなじ場所になるように開けます。スリットの幅は、狭いほど正確に測量することができます。その方法としては、次のような方法が考えられますが、見え方や机の上に置いた時の安定性とのバランスを考えて、いろいろ工夫してみるといいでしょう。

  1. 箱の状態のまま、ものさしで測っておなじ場所になるようにカッターで開ける。
  2. 箱をていねいに開いて、平らにしてからカッターなどで開けて、ふたたび箱を組み立てる。
  3. 箱の両面を完全に切り取ってから、そこへスリットを開けた別の紙をはりつける。
  4. さらに正確にするため、箱の両面をやや大きめに開けてから、その中心に見通し線に使用する糸、あるいは細い棒などをとりつける。
 

菓子箱アリダード

菓子箱アリダード アリダード
「菓子箱アリダード」を作る、右はじっさいのアリダード

放射法で地図をつくる
「菓子箱アリダード」を使って放射法で地図をつくる
 

 器具がそろったら、地図作りを始めます。
 用意するものは、机、スリット状にくりぬいた菓子箱アリダード、巻尺、ものさし、測量のふんいきを出すために梵天(ぼんてん)、地図を描く紙、筆記用具、セロテープか画びょうです。

  1. 部屋の中で、地図に描く範囲(A、B、C、D)をきめます。
  2. 机の上に地図になる紙を貼り、その上で基点(P)をきめます。
  3. この方法でじっさいに地図が描かれるのは、基点をふくめた(P、A、B、C、D)です。そこで、基点(P)から一番遠い目標までのおおよその距離を測ります。全体の大きさを知るためです。
  4. その距離と図紙の大きさなどから、作成する地図の縮尺をきめます。
     例えば、距離が20メートル、図紙が40センチだった場合、2000÷20=50、1/50より小さな縮尺(1/100などです。その後の計算がかんたんなように、きりのいい数字にします)の地図にしなければ図紙におさまりません。
  5. 次に、じっさいの測量とおなじように、「菓子箱アリダード」の右端に基点(P)を合わせます。
     その後、目標(A)の梵天がスリットの中を通って向こう側に見えるように、(P)を基点にして「菓子箱アリダード」を回転させます。方向を定まったら、菓子箱の右端に沿って鉛筆で目標方向への(P-a)線を引きます。
  6. 次に、巻尺でスリットの基点(P)から目標地点(A)までの距離を測り、これを地図の縮尺倍(1/100など)した距離(l)の位置にポイント(a)を記します。
  7. おなじようにして、基点(P)からB、C、Dの方向と距離を知って、机上に各ポイントb、c、dを描き、それを結ぶと地図ができあがります。
     これは、図-1の地図の縮図と同じです。
  8.  ここでの疑問点を上げておきます。
     ・(P、A、B、C、D)を描くのではなく、(A、B、C、D)だけを描く方法は無いのだろうか。
     ・スリットが箱のヘリと平行でなかったらどうなるのだろう。

     

    もどるすすむ

■地球の地図を作ってみよう

1.地図の基本を知る
 - 地図は、地球のジオラマのようなもの!
2.かんたんな地図の作り方を知る
 - 平板測量という方法
3.室内で地図作りを体験する
 - だれでにも地図は出来る!
4.歩測という体のものさしを知る
 - 伊能忠敬に近づく
5.もっと知識を高める
 - もっと伊能忠敬に近づく
6.みじかな地球の地図をつくる
 - 伊能忠敬を超える?


■そのほかの体験教室

わがまち地図つくり

わがまち地図つくり

歩測の達人になろう

歩測の達人になろう

立体めがねを作ろう

立体めがねを作ろう

おもしろ地図記号クイズ

おもしろ地図記号クイズ

おもしろ地図と測量ホームへ

copyright (c) オフィス 地図豆 All right reserved.