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あすか けいた

第5話 シーボルトゆかりのピアノ
   
母の日が過ぎるとお花屋さんのカーネーションも一気にお終いになって、
    アジサイがたくさん飾られるようになりますよね。
おっと、あすかさんらしくないことをいいますね。
    すこし、女の子らしいところがありましたかね。  
しつれいね!
    でも、その発言は、ちょっとあたっているかもしれません。
    アジサイと地図についての話しです
知っていますよ。シーボルトとアジサイの話なら。
いいえ、違います。
    シーボルト(1796-1866)が西洋にアジサイを紹介したこと。
    それは、愛する「おたきさん」にちなんで、
    学名にハイドランジア・オタクサと命名したことは有名です。
    ですが、それは、それは正しくありません。
へー、何が正しくないのですか。
アジサイを西洋に最初に紹介したのは、
    それ以前の同じオランダ商館医師ケンペル(1651-1716)だったそうです。
そうですか、それは知らなかったな。
    ケンペルは、シーボルトのずーっと以前のオランダ商館医師ですね。
はい、彼らは出島に植物園を開いたそうです。
    そして、シーボルトのときに、ここで栽培された植物は最大1400種を数えたといいますよ。
    シーボルトが紹介したのは、アジサイだけでなく、
    ウメ、ツバキ、ヤマブキ、ハナショウブ、シュウカイドウ、サザンカなどもあったといいます。
ほー、ずいぶんもの知りになりましたね。
ものの本で読みました。  
では、受け売りですが、私もあすかさんに負けずに! 
    シーボルトは日本滞在中に、ピアノ曲「日本のメロディー」を作曲していました。
植物から、こんどは音楽ですか!
それは、日本で生まれた西洋の手法によるクラシック音楽の
    第一号の栄誉を持つものだそうです。
    彼の、「日本のメロディー」は、7曲からなり、
    その第4が「かっぽれ」から採譜されたものであることが、
    旋律の下に書き込まれた歌詞などから明らかになったそうです。
へー!
彼は、来日時にピアノを持ち込んでいます。
最新技術を紹介しようとして持ちこんだのでしょうかね。
    それとも、楽しみのためだったのでしょうかね。
 
しっかりとは分かりませんが、楽しみのためだったと思いますよ。
それにしても、現在でも、ピアノの引っ越しは専門業者がしますよね。
    大変だったでしょうね。
そう、当時の輸送事情などを考えると、
    シーボルトのピアノに対する熱意といったものを感じますよね。
    それ以前に、西洋人の生活に対する考え方みたいなものを感じますね。
    そのシーボルトのピアノが、今も日本に残っている。
    しかも、日本最古のピアノになるそうです。
それは、おどろきです。
当時、彼と親交のあった山口県萩市の熊谷(五右衛門義比)家に贈られて
    保存されているそうです。
    そして時折、当時の音色を伝えている。
そうするとシーボルトは、伊能図を世界に紹介した人だけでなく、
    アジサイを、ハイドランジア・オタクサと命名した人
    日本生まれの西洋手法によるクラシック音楽の第一号を作曲した人
    そして、日本最古のピアノの所有者だった。

シーボルト

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