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あすか けいた

第1話 石田三成ゆかりの“ものさし”

あすかです。
    けいたさん、どうぞよろしくお願いします。
はい、けいたです。こちらこそ、よろしく。
私は、「オフィス地図豆」という地図会社で、地図の仕事を20年ほどしてきました。
    ですから、見かけほど若くはありません。
    永く仕事をしているうちに、すっかり地図好きになりました。
    けいたさんの地図とのかかわりはどのようなことで?
私は、学校を出てから一般営業を3年しました。
    そののち、この会社にきて10年になります。
    ですから、あすかさんとちがって、見かけ以上に若いです(笑)。
    地図については、それなりのことは知っていますが、地図好きではありません。
    人の話を聞くのは好きです。ですが、独り身ですから、いつもはテレビと話しています。
それは、さみしいことで!
    ところで私、お宝をひとつ持っています。
    それは、10年ほど前に鹿児島へ出張したときに買ったものです。
へーお宝ですか、うらやましいな!
    で、いくらほどするものですか。    
国宝級のものです。というのは真っ赤な嘘です。
    実は、桜島が正面に見える磯庭園にある尚古集成館の売店で、
    石田三成ゆかりの“ものさし”の複製を買いました。
刀ではなくて、ものさしの複製ですか?
けいたさん、豊臣秀吉の太閤検地(1592〜)知っていますよね!    
はい、太閤検地という名称くらいは、人並みに知っています。     
そのとき、秀吉の命を受けた石田三成が、
    島津領内での検地の際に使用したといわれる“ものさし”を、    
    尚古集成館が所蔵し、展示しています。
    石田三成(治少輔)の署名と花押もあって、国指定重要文化財になっています。
へー! それでお宝ですか。でもどうして、ものさしが文化財に!
検地では、田畑などの面積を測り、結果を検地帳に仕立てて、これをもとに徴税します。
    今では考えられませんが、当時は面積を測るための、ものさしの統一が必要だったのでしょう。
    測量は、梵天竹、間縄、十字などを使用して行われます。
    そのとき、石田三成(治少輔)の署名と花押もあるこの“ものさし”を使用して、
    一間を六尺三寸と決めて事業を進めたようですよ。
間縄と鉄鎖間縄と鉄鎖

三成の“ものさし”を元にして、間縄に目盛をつけた。
    まさに、メートル原器ですね。そういえば、今、メートル原器どうなったのでしょうね。
よくわかりませんが、「特定の光が真空中を伝わる波長の・・・」といったものになったようですよ。
むずかしいことはいいです。分からない人から説明を聞くと、ややこしくなりますから。
    それよりも、現在の検地は?どうなっています。
地籍測量ですね。
    土地所有者の理解がえられないからでしょうか、
    しくみが悪いからでしょうか、進んでいないようですよ(全国で50%ほどの実施率)。
検地(地籍)のことでは、秀吉にも負けているようですね。
    原因は、小渕、小泉、小鳩と、権力者の力が小さいからではないですか??  
小さい器のことは?? 波長以上に、私にはよくわかりません。
    ともかく、地籍測量が終わっていない地域では、
    今でも、明治期の測量結果を使用しているという、恥ずかしいことになってます。 
こんど、鑑定団には出すことができない、小さなお宝みせてください!

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