「絵本作家からのメッセージ」
オーカス君の旅を絵本にする。
その絵を描く機会をいただき最初に思った事は大人でも鑑賞に堪える絵 にしようと思ったことでした。子ども達が読む絵本ですが、これは事実を元にした物語であり多くの出 会いによる奇跡の物語です。
絵本を読む事でオーカス君が体験した冒険を一緒に感じてほしいという 思いから時間をかけて細部まで描き込みました。
それぞれの絵に込めたエネルギーを感じてもらえればうれしいです。
石井晃二
「小さな杭の生命の旅」
杭を受け取るためアメリカに渡る飛行機の中で何度も考えていました。
知人がアメリカのテレビを見なかったら、船長のトムさんが足下の杭に気づかなかったら、トムさんがニュースキャスターに杭のことを伝えなかったら、日本からの震災瓦礫の証しとして杭を番組で取り上げていなかったら、杭のプレート番号が消えていたなら、杭がどこかの岩場でひっかかっていたならば・・・・。
いろんなことを考えながら、シアトルから車で4時間かけオーカス島へ入りました。
オーカス島でトムさんとお会いしたとき、トムさんの「まさか!」と興奮した顔は、私以上に喜んでいただいているようで、来て良かったと思いました。
たかが杭、されど杭を心に小さな紙袋に何度も包み、帰国の機中では私の隣に座らせて、苦難のオーカス島への旅をねぎらいました。
不幸な震災の中からも、このような偶然の重なりで感動は生まれたのです。
歴史的な東日本大震災の裏にあった小さなドラマですが、子供たちにはこのストーリーを通じて、震災のことを忘れずに未来に伝えて欲しいとも思います。
これからはボーダレスの時代とも言われています。
みなさんにはオーカス君のように大きな海を越えて世界へ羽ばたいて欲しいとも思っています。そこには今回のように予期せぬストーリーが待っています。でも、羽ばたいた人しか見えない世界も待っています。
オーカス君のストーリーは小さな奇跡かもしれません。
でもその小さな積み重なりが我々の明るい未来を作っていく礎になると信じています。
株式会社リプロ 代表取締役 岡田謙吾
実物は本社に展示しています。 | (一社)日本国土調査測量協会 「地籍の匠」特別賞受賞 |